幕末を駆け抜けた新撰組。江戸ごはん×新撰組の青春ストーリー!
この記事では、殿ヶ谷美由記が著者の「だんだらごはん」第5話のあらすじと感想をお伝えします。
だんだらごはん第5話のネタバレ「人を殺してしまった…」
沖田達、試衛館(しえいかん)のメンバーは、みんなでおいしいものを持ち寄り、宴会することにしました。沖田は山口を誘って食材を持ってくるように言い、宴会のことを他のメンバーにも伝えに行きました。
山口が何を買おうか迷いながら歩いていると、ある男に呼び止められました。
試衛館では、永倉がイカを持ってきたことでみんなが騒いでいます。続いて原田もやって来て、どんどん盛り上がっていきます。
一方で、山口は男に襲われていました。阿片(アヘン)を売りつけているところを山口に見られてしまった男は(第4話参照)、口封じのために山口を殺そうとしていました。必死に逃げる山口。ですがとうとう、行き止まりに追い詰められてしまいます。
試衛館では、山口がなかなかやって来ないので沖田が心配していました。沖田は、山口を探しに部屋を出ます。部屋を少し出たところで、沖田は山口が立っているのを見つけました。ほっとする沖田。しかし、山口の肩や裾が、血で汚れていることに気づき目を丸くします。山口は、悲痛な面持ちで「人を殺してしまった…」と言いました。
そこへ、試衛館の他の人たちも部屋から出てきました。血だらけの山口を見て、皆驚きます。山南に事情を尋ねられた山口は、知人がアヘンを売りつけているところを目撃してしまい襲われたこと、追い詰められて相手の脇差(わきざし)で相手を斬ってしまったことを説明しました。
山口が斬った相手は、旗本(はたもと)の家の子。自分より身分の高い者を殺してしまった山口は、問答無用で死罪になってしまいます。
動揺する沖田達。山口は、自首しようと思っている、と言います。「今までありがとうございました」と深く礼をする山口。それを見た土方は、死ぬ覚悟はあるんだな、と口角をあげ、山南に浪士組の参加資格を言わせます。その参加資格は、「身分や年齢を問わず、腕に自信があれば、農民でも罪人でも構わない」というものでした。土方は、罪人となってしまった山口にも参加資格がある、と言います。
土方は山口に、家や名前を全て捨て、浪士組で一から始めるように言います。それを聞いた近藤も、先に京都に行くよう山口に伝えます。他のみんなも賛同し、急いで山口の旅支度をととのえ始めます。
しばらく経った後、山口は出発し、沖田は山口を見送りに行きました。山口におにぎりを渡した沖田は、必ず京都で会おう、と山口に伝えます。沖田が試衛館に戻ると、近藤達がどうして山口だけこんな事件に巻き込まれてしまったのか話していました。沖田は、自分が山口を押したせいで山口が男に見つかってしまったことを思い出します。(第4話参照)
船上でおにぎりを食べる山口でしたが、事件を思い出してしまいうまく食べることができず、涙がこぼれます。
山口一は、斎藤一(さいとうはじめ)と名前を変えてこっそりと江戸を発ち、一足先に京都に着くことになります。
だんだらごはん第5話の感想「ついに斎藤一の登場」
衝撃的な展開が続く第5話でした。この事件を経て、山口の運命は大きく動き出していきます。
口封じのためにと襲われ、とっさに相手を斬ってしまった山口。彼の悲痛な面持ちは、見ているこちらも胸が苦しくなるようでした。現代なら正当防衛で通用しそうですが、身分制度がしっかり残るこの時代だからこそ、上の身分の者を殺すことはいかなる理由でも許されません。京都に行って将軍のために働くことで、何かが変わるんじゃないかと期待していた山口にとって、どれほどの絶望だったことでしょう。
そんななか、まさかの「山口一」の名を捨てるという、新たな道を見いだした土方。彼の機転には驚きました。他の試衛館メンバーも皆、「山口が死ぬなんて嫌だ」と団結するところから、山口が試衛館の皆に愛されていることが伝わってきました。まさかの経緯で、第5話のラスト、新撰組のメンバーとして有名な「斎藤一」の名前がついに登場します。
また、旅に備えて皆がにぎってくれた無骨なおにぎりを食べ、涙する山口の姿も印象的でした。当たり前な平和な日常が突然終わりを迎え、相手の命を奪って自分が生きていることに、様々な思いがこみ上げたのではないでしょうか。
後の新撰組メンバーの平和な日常が一変。一気に不穏な空気に包まれた第5話をもって、単行本第1巻は終わりです。先に江戸を発った山口は無事に京都にたどり着けるのでしょうか。また、沖田達にも出発の時が迫ります。次巻もハラハラ・ドキドキな展開になりそうです!
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