幕末を駆け抜けた新撰組。江戸ごはん×新撰組の青春ストーリー!
この記事では、殿ヶ谷美由記が著者の「だんだらごはん」第7話のあらすじと感想をお伝えします。
だんだらごはん第8話のネタバレ「人は変われると思う」
浪士組に参加している沖田達は、ようやく京都に到着しました。近藤や沖田たち試衛館メンバーと、芹沢率いる数名が同じ宿で過ごすことになります。芹沢は、道中、不備があって宿が手配できなかった際に民家の間近で巨大な焚き火をするなど、素行が問題視されている人物でした。芹沢と旧知である永倉は、芹沢に酒をやめるように言いますが、逆ギレした芹沢とケンカになりそうになります。このままでは江戸に送り返されない、と沖田と土方は頭を抱えました。
永倉は、芹沢の問題行動は酒のせいだと話します。永倉は、芹沢の問題行動には腹が立つが、たまに素面に戻るから見捨てられない、と話しました。それを聞いた近藤は、芹沢を断酒させよう、と言い出します。乗り気でない皆に、近藤は「人は変われると思う」と話し、近藤自身も自棄(やけ)なときもあったが、皆が支えてくれたから今京都にいる、と話します。沖田は、自分も居場所がなかったときに近藤に受け入れてもらい、居場所を与えてもらったことを思いだし、近藤の案に乗ることに決めます。皆も渋りつつも芹沢を断酒させる方法を考え始めました。
原田や永倉は、芹沢が食事をあまり食べずに酒ばかり飲んでいることを指摘します。そこで、芹沢にたくさん食べさせて、酒の量を減らすことを思いつきます。皆で芹沢の好物を考えるなか、山南は芹沢が水戸出身であることを思い出します。そして山南は、水戸黄門がよく食べたと言われる「かけ(現代のラーメン)」を作ってみることを提案します。土方と山南は、様子を見ていた芹沢派の新見(にいみ)に料理対決をすることをもちかけ、場は盛り上がっていきます。
沖田達は、蓮の根の粉と小麦粉から麺をつくったり、豚肉の代わりに鴨の肉を使ったりと工夫し、「かけ」と「鴨肉入福包(かもにくいりふくづつみ:現代のギョーザ)」を完成させます。永倉が味見し、そばでもうどんでもない「かけ」の新しい味に感動します。沖田達は、完成した料理を食べてもらうため、芹沢を探しに行きました。
福包を持ったまま芹沢を探していた沖田は、1人の侍と出会います。侍は、沖田の持っている変わった食べ物について尋ねます。沖田は異国の料理だと説明し、たくさん作ったからと福包を侍にあげて宿に戻りました。
沖田と分かれた侍は、「異国のものなど食えるか」と福包を地面に捨て踏みつけます。侍は清河(きよかわ)といって、浪士組の統率者でした。浪士組が烏合(うごう)の衆であるほど都合がいいと考えている清河。清河は、浪士組を自分の大志のために利用するつもりでした。
だんだらごはん第8話の感想「支えあいが繋がっていく」
浪士組の統率者・清河の黒い腹の内が明かされたところで、第8話は終了になります。ホカホカの福包を清河が踏みつける場面は、何とも悲しい気持ちになりましたが、この場面から清河がかなりの外国嫌いであることがうかがえます。浪士組の先行きが心配です。
第8話では、沖田達が「かけ」という現代のラーメンのような料理を作っていくシーンがとても面白いものでした。水戸黄門の「かけ」については、詳細なレシピは推測になってしまうそうですが、当時の言行録に食材等の記載があるそうです。沖田達のつくった「かけ」も「福包」もホカホカでとてもおいしそうでした。江戸時代にはかなり珍しい、新しい味だったのではないでしょうか?有名な水戸黄門が好きだったとされる「かけ」なら尚更、興味も湧いてきますね。ご家庭での再現は難しそうですが、水戸黄門のかけを再現したラーメンが発売されているそうです!
芹沢さん断酒作戦を考えるにあたり、「人は変われると思う」と話した近藤の姿が素敵でした。皆が支えてくれたから自分も変われた、だから芹沢も変われるかも、と期待する近藤。夢が叶わないなど(第1話参照)辛いことを乗り越えたからこそ言えるセリフだと思います。沖田も、居場所のなかった幼い自分を近藤が信じて受け入れてくれたことを思いだし、芹沢が変わることを信じようと決心しており、支えあいが繋がっていくことを感じました。支えてくれる周りの人に感謝し、自分もまた周りの人をサポートできるような、そんな人になりたいなと感じさせられました。
不穏な空気感のまま、物語は第9話に続いていきます。常に酔っ払っていてあちこちでケンカをふっかるなど、問題行動を重ねる芹沢に、浪士組に関して何やら不穏な思惑のありそうな清河など、不安要素が多くハラハラな第9話となりそうです。
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