大正時代に創設され、未婚の女性だけで構成された『紅華歌劇団』。歌劇団のスターとなるべくその音楽学校に入学した、渡辺さらさをはじめとする少女たちの青春物語「かげきしょうじょ!!」第10話では、専科のミレイが千夏のことを千秋だと勘違いして声をかけましたが、千夏はそれに応えず行ってしまいました。千秋が無視したのだと思ったミレイは、後日千秋に注意します。
この記事では、「かげきしょうじょ!!」第11話のあらすじと感想を紹介します。
かげきしょうじょ!!【第11話】あらすじ「千秋と千夏、双子のあいだのわだかまり」
子どもの頃、沢田姉妹は紅華歌劇団のステージを観に行き、双子のうさぎの演技を見ました。双子のうさぎが自分たちにぴったりだと思った沢田姉妹。仲のよい双子で、完全なるシンメトリーをつくれる沢田姉妹は、いつも一緒なのだと、そう思ってきました。千秋がミレイに注意されたことについて、本科生と予科生の間では千秋と千夏が双子だと知らないミレイの勘違いだと判明し、本科の委員長からミレイに事情を話してもらうことになります。周りが励ますなか、千夏も硬い表情で「もう終わったことだよ」と言いました。
その次の合同練習のあと、予科生たちは寮に帰りお風呂に入っていました。千秋は、誤解がありミレイに叱られてしまった後、ミレイが何も言ってこないことを気にします。大したことなかったんじゃない、という千夏に、千秋は「本当にそう思ってる?」と問いかけます。「言いたいことがあれば言えば?」と口調を強める千夏に、「千夏が言ってほしいなら言う」と千秋は言い返します。一方で専科の人たちは食事会をしていました。千夏と千秋のこと投げっぱなしでいいのかと言われたミレイは、「かわいそうだけどまだ言わないかな」と答えました。
千秋が言い返したことで、千秋と千夏の姉妹ゲンカに火が付いてしまいました。千夏は勢いで、「千秋のために入学1年見送った私がバカだったよ!!」と怒鳴ります。「また受かる保証なんてどこにもなかったんだから!」と続ける千夏に、千秋は「わかった…私 家出する!」と言います。目が合ったさらさに千秋は「泊めて」と言い、ひとまずさらさと千秋が部屋を入れ替えることになります。
千秋と千夏の部屋に行ったさらさは、「わあ、かわいい!」と声を上げます。千夏はぬいぐるみを拾いながら、今まで姉妹ゲンカをしたことがなく、お互いが考えていることを言わなくても分かると思っていた、と話します。そして呟くように、「そう思い込んでいただけかもしれない」と言います。同じ日に生まれ、同じ顔で同じ服を着て、同じ時間に眠り、同じものになりたがって育ってきた千秋と千夏。自分にはもう1人の自分がいるという絶対な安心感のもと育ってきた特別な2人の道が初めて分かれたのは、千夏が受かり千秋が落ちた紅華の受検の日でした。
次の練習時、ミレイは相変わらず何も言いません。予科生たちがボンボンを作っていると、そこに現れたのは専科の一条明羽でした。
かげきしょうじょ!!【第11話】感想「受験の合否が双子の道を分ける…」
千秋と千夏のケンカが本格化してしまい、千秋が“家出”することになってしまいました。ただのケンカではなくこれまでの経緯や受験のときのことも絡んでいるので、無意識のうちにできていた深いわだかまりが、今回のことをきっかけに表面化してしまった、といったところでしょうか。同じ環境で育ち、同じ感覚を持ち、同じ夢を持って育ってきた双子だからこそ、「お互いのことを分かり合える」という絶対的な自信があったのかもしれません。それまでケンカをしたことがなかった、ということからも、本当に仲がよかったことが伝わってきました。そんな2人の道が初めて分かれたのが受験の合否、ということは残酷だなと思いました。そして、千秋と一緒に入学するために入学を1年見送り、再受験した千夏の決断はとても勇気のいることだったと思います。その当時はお互いに納得して決めたことだったのだと思いますが、後からお互いに色々と思うところがあっただろうなと考えさせられました。
そして、専科のミレイは、千秋を叱ったことについて自分の勘違いであったとは、しばらく言うつもりがないようです。何か考えがあってのことなのだと思いますが、何を狙って言わないでいるのかは謎のままでした。予科生達のなかでも、ミレイが何も言わないことについて様々な憶測が出ていて、“ミレイさんは腹黒なんじゃないか”といったことまでささやかれていました。ミレイは「まだ言わないかな」と言っており、時期が来たら言うような口ぶりでしたが、何を待っているのか気になります。
沢田姉妹の間で勃発したケンカが激しさを増した第11話でした。彼女たちのなかにあるわだかまりはとけるのか、そして仲直りできるのか…。第12話に期待です!!
コメント