大正時代に創設され、未婚の女性だけで構成された『紅華歌劇団』。歌劇団のスターとなるべくその音楽学校に入学した、渡辺さらさをはじめとする少女たちの青春物語「かげきしょうじょ！！」第6話では、さらさは代役として助六の舞台にあがりますが、暁也のひと言をきっかけに、日本舞踊の先生から「お前は助六にはなれません！」と怒鳴られてしまいます。
この記事では、「かげきしょうじょ！！」第7話のあらすじと感想を紹介します。
かげきしょうじょ！！【第7話】あらすじ「助六になる、と誓う暁也」
「お前は助六にはなれません！」と先生に怒鳴られたさらさは、泣きながら走り去っていきました。先生も暁也も、自分のしてしまったことに激しく後悔します。暁也は学校が終わった後に変わらずお稽古に行きますが、さらさは来ませんでした。15代目歌鴎の妻でもある先生は、さらさは休んでいると寂しそうな申し訳なさそうな顔で言った後、「ツメが甘いのよ、男ってばかよね」と呟きます。数日後、さらさのおじいちゃんが怒鳴り込みに来たときには、煌三郎がずっと頭を垂れていました。
暁也は、偶然に公園でさらさと再開します。暁也がさらさに「お稽古に来ないね」というと、さらさは「女の子は歌舞伎になれないんだって」と言います。男の子でも助六になれない人はいっぱいいるよ、と暁也が焦って答えると、さらさは「でも絶対じゃないでしょ？」と言います。さらさは、暁也に今度遊びに来て！と家の場所を教えると帰って行きました。後日、さらさのおばあちゃんが亡くなり、歌鴎と暁也でお葬式に行くことになります。歌鴎は暁也に、「自分は与えられた道を好きになれてラッキーだった」と話します。
数日後、母親と口論になった暁也は、「僕はもう歌舞伎なんかやりたくない！！」と家を飛び出していってしまいます。さらさのおじいちゃんは畳屋をしており、店の片付けをしていると、息を切らせて泣いている暁也が現れました。そして暁也は、「僕のせいでさらさちゃんのおばあちゃんが死んじゃった」と言います。混乱するおじいちゃんに暁也は、さらさがいつも楽しそうで踊りが上手で、うらやましくていじわるをしたら、全部ひっくり返って、さらさはお稽古に来なくなったと言いました。「僕が悪い子だから、おばあちゃんが死んじゃった！！」と暁也は号泣します。おじいちゃんは、「お前さん歌舞伎が好きじゃないのかい」と聞き、おばあちゃんが死んだのもさらさのことも、こうなる運命だったのだと言います。さらさのおじいちゃんはあることがきっかけで歌舞伎が嫌いになっていましたが、昔はおばあちゃんと2人でよく観に行ったこと、おばあちゃんが舞台好きだったことを話しました。そして、「お前さんは悪い子じゃないさ」と暁也に言います。そこへ、暁也の母親が息を切らせて迎えに来ました。
母親は、暁也をおんぶして帰りながら、「お母さんもムキになっちゃった」と話し、これからは暁也の好きなことをしよう、と言います。暁也はおぶられながら自分が歌舞伎を好きなことを思い出し、16代目 白川歌鴎に、助六になって花道を歩くと星空に誓いました。
かげきしょうじょ！！【第7話】感想「与えられた道を好きになること」
暁也の原点ともいえる思いがどのように生まれたのかが伝わってくる第7話でした。最後の場面、お母さんにおんぶされながら「僕は歌舞伎が好きです」と、助六になるんだと心の中で誓う暁也は、一歩大人になったような、覚悟を決めたような、そんな格好良さがありました。助六の舞台では、目をキラキラさせているさらさに注目がいきがちでしたが、その奥で暁也も、助六を演じる歌鴎に目を奪われていました。暁也のおかあさんも「暁也のためになるって思い込んじゃった」と暁也に謝っており、暁也もやっと、本当に自分の意志で歌舞伎をできるようになりそうです。母親におぶわれながら、このとき星空の下で誓った思いが、ずっと暁也を支えているのでしょう。
暁也がさらさのおじいちゃんの畳屋に飛び込んでいったときは驚きました。「僕が悪い子だから」と、さらさが歌舞伎の世界と別れるきっかけをつくってしまったことを、ずっと後悔していたのでしょう。暁也はこの日、歌舞伎のお稽古中にいつも暁也をいじめてくる他の子とケンカになってしまっていました。暁也は相手に「僕のことがうらやましいから意地悪するんだ」と言い返していましたが、自分と重ねていたのかもしれません。母親におぶわれながら、暁也は「出来ないことを人のせいにしてごめんなさい」と繰りかえし心の中で謝っていて、ドロドロした思いが拭われたのだと思います。
暁也が助六への誓いを胸に、新たな一歩を踏み出した第7話でした。第8話では現代に戻り、成長したさらさと暁也を見られそうです。お楽しみに！！
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