後宮で働く猫猫（マオマオ）が、薬師の知識で事件の謎を推理する中華系ミステリー「薬屋のひとりごと」
第9話では、園遊会での騒ぎの事のあらましがわかり、里樹妃が侍女達にいじめられているだろう、ということを猫猫が高順に話しました。この記事では、「薬屋のひとりごと」第10話のあらすじと感想をお伝えします。
薬屋のひとりごと【第10話】あらすじ「猫猫の里帰り計画」
猫猫は、後宮の中庭で侍女仲間の小蘭（シャオラン）とおしゃべりしていた。小蘭は猫猫に、猫猫は園遊会でかんざしをもらったのか尋ねます。猫猫が４つもらったと答えると、小蘭は「じゃあ後宮から出られるんだね」と言います。猫猫が驚いた顔をすると、小蘭は「こっから出るんじゃないの？」と不思議そうな顔をしました。猫猫は小蘭に詳細を尋ねます。小蘭の説明によると、後宮は男子禁制のため外の男性は女官に会いに来られないが、その代わり特別な許可があれば、外から中の女官を呼ぶことができる、とのことでした。そのために必要なのが、園遊会で配っていたかんざしだったようです。逆に、かんざしを使えば、侍女側から外の男性に呼びかけることもできるようでした。小蘭は貧しい農村の出身で、衣食住に困らない後宮での暮らしを気に入っているようでしたが、猫猫は帰りたかったようです。
猫猫は、園遊会で義理のかんざしをくれた李白に文を送りました。断る気満々の李白は、猫猫と対面してため息をつきます。「俺を呼び出すなんてどういう意味か分かってんのか？」といらつく李白に、猫猫はケロッとして「実家に帰りたいと思いまして」と言いました。猫猫は、李白に帰省の際の身元保証人になってほしかったのです。「俺は嬢ちゃんの里帰りにうまく利用されろってことか？」と静かに怒る李白に、猫猫は「こちらもそれなりのお礼を考えています」と答えました。訝しがる李白に、猫猫は「緑青館で花見はいかがかと」といいつつ、３人の妓女たちの紹介状を見せました。緑青館は、一晩で銀が尽くような高級妓楼、かつ猫猫が紹介状を見せた３姫は、高級官僚でも手を出せない一流の妓女達でした。信じられない、と息をのむ李白に、猫猫は「信じられないなら仕方ないですね」とあっさり引き下がります。そして、残念ですが他をあたります、とかんざしを2本ちらつかせました。こんな話あるわけない、しかしこのチャンスを逃せば二度と３姫には出会えないかも…という葛藤の後、李白は「俺の負けだ」と猫猫の帰省に付き合うことに決めました。
翡翠宮に戻ると、玉葉妃の侍女達は「おめでとう猫猫」「いい人が見つかったのね」と口々に猫猫を祝福します。祝福する侍女達と話がいまいち噛み合っていない猫猫をみて侍女頭は、玉葉妃に「良かったのですか、あの様子、ぜったいかんざしの意味分かっていませんよ」と困った顔をします。玉葉妃は、「そうね、絶対」と笑い、「かわいそうなのはあの子だわ」と空を仰ぎます。噂された壬氏は、仕事に追われながらくしゃみをしていました。玉葉妃は、「本当に面白い」とつぶやき、小さく笑うのでした。
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薬屋のひとりごと【第10話】感想「里帰り成功のための、巧妙な駆け引き！」
猫猫が、園遊会でもらったかんざしを利用して帰省の計画をたてるという第10話でした。帰省というシステムがあることが分かりすこし驚きましたが、猫猫もこれでようやく元いた花街の薬屋に顔を出すことが出来そうです。元々、人さらいにさらわれて後宮に連れてこられた猫猫は、帰りたいという思いも強かったのではないでしょうか。簡単に帰省できないルールや事情もあるなかで、経緯はどうあれ里帰りが実現しそうで良かったです。後宮での任期はまだ残されており、3日間だけの里帰りですが、懐かしい実家でぜひ羽をのばしてゆっくりしてほしいなと思います。
猫猫が李白を里帰りの保証人にするためにとった手段が面白かったです。高級妓女たちへの紹介状とは、花街出身の猫猫ならではの方法だったと思います。李白が信じられずに葛藤している姿も面白かったですが、猫猫も駆け引きのように押したり引いたりとうまく李白を説得しており、その様子もまた読んでいて楽しかったです。さえない侍女としか思っていなかったただの侍女から、高級妓女に会わせてあげると言われたら、誰もがあのような反応になってしまうかもしれません。壬氏や梨花妃にもらったかんざしをちらつかせることで「他にも当てがあるのかも。そして自分より凄い人たちへのコネクションがあるのかも」と李白に思わせていて、猫猫は駆け引き上手だなと思いました。
次の話では、いよいよ猫猫が里帰りをするようです。猫猫が生まれ育った花街は、どのようなところなのでしょうか。そして、猫猫がもともといた薬屋や薬師の師匠のことも分かるのでしょうか…？玉葉妃に「かわいそうなのはあの子だわ」と噂されていた壬氏も、猫猫の里帰りを知ってどのような反応をするのか楽しみです。第11話、期待が高まります！！
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