後宮で働く猫猫(マオマオ)が、薬師の知識で事件の謎を推理する中華系ミステリー「薬屋のひとりごと」。第14話では、猫猫が浩然という武人が亡くなった原因について、酒瓶に入れられた塩だったと解明しました。
この記事では、「薬屋のひとりごと」第15話のあらすじと感想をお伝えします。
薬屋のひとりごと【第15話】あらすじ「下女が自殺した…?噂と事実とは…」
猫猫や例のヤブ医者、壬氏たちは水死体の周りに集まっていました。外の堀に浮かんでいたもので、後宮の女官らしい姿でした。猫猫は、死体をじっと観て観察します。
しばらく経った後、猫猫は壬氏のもとに死体に関する考察を話しに行きました。「投身自殺だろう」と話す壬氏に、猫猫は、自殺かどうかは分からないが、1人では無理だと思うと返します。外堀に行くには、後宮の城壁を乗り越える必要がありましたが、普通の下女に城壁を昇ることは不可能に近かったのです。「他殺か?」といぶかしむ壬氏に、猫猫は「他殺かどうかは分かりませんが、生きたまま堀に落ちたことは確かです」と答えます。必死に堀の壁をつかもうとしたのか、下女の手は血に染まっていました。自殺にしろ他殺にしろ死にたくない、と考える猫猫は、それでももし死ぬなら毒殺がいいな、と思います。壬氏に「もし私を処刑するなら毒殺にしてください」と頼む猫猫。立場上、壬氏は猫猫を処刑できますが、壬氏は「そんなことはしない」と答えました。
ところ変わって後宮の中庭。猫猫は、噂好きの下女仲間から、死んだ下女は自殺で、柘榴(ザクロ)宮の下女であり、園遊会で里樹妃に毒をもった犯人だったという噂話を聞きます。柘榴宮に住む淑妃(しゅくひ)こと阿多妃(アードゥオひ)は今年で35歳の、昔からいる妃でした。子を多く産むという後宮の目的上、年齢を重ねた阿多妃の位を下げ、新しい若い妃を入れるのでは、という噂が立っていました。死んだ下女が園遊会で里樹妃を狙い毒をもったのも、自分が仕える阿多妃のためだったのかも、と下女仲間は想像します。
次の日、玉葉妃と里樹妃どうしでお茶会が開かれました。妃同士のお茶会は、情報の探り合い。どの侍女もピリピリしています。猫猫は以前、里樹妃の侍女達が里樹妃をいじめていると高順に報告していました。今回は大丈夫そうに見えましたが、だされたハチミツを食べられずにいる里樹妃を、里樹妃の侍女達はコソコソと馬鹿にしているようです。猫猫の機転と玉葉妃のはからいでハチミツは生姜湯に変更され、事なきを得ましたが、いじめは続いているようでした。
茶会が終わった後、猫猫は壬氏に出くわします。茶会についてあれこれ聞かれた後、猫猫は壬氏に、「明日から柘榴宮に手伝いに行ってもらえないか」と頼まれました。
薬屋のひとりごと【第15話】感想「猫猫の命は壬氏が握っている…」
死んでしまった下女は自殺だったのか、他殺なのか…?何とも続きが気になるまま、第15話は終わりを迎えてしまいました。下女の思いや事情だけでなく、妃の事情なども絡んでいて、複雑そうな背景がうかがえます。猫猫は無事に事件を解決できるのでしょうか…?
猫猫が、自分を処刑するなら毒殺にしてほしい、とお願いするシーンが印象的でした。ため息をつき「何でそうなる」と言う壬氏に、「私が平民で、失敗したら簡単に吹き飛ぶ命だからです」という猫猫の姿は、世の理を受け入れているようにも、諦めているようにも見えました。平民は貴人に逆らえない、という身分制度は、すなわち身分によって命の重さが違うんだな、ということを感じさせられました。そんなことはしない、と真顔で返す壬氏に対し、「する、しないではなく、できる、できないですから」と猫猫は答えていて、身分の高い人間は、たくさんの人々の命を握っていることが分かりました。私たちの世界は、自分で自分の命を握れる世の中でよかったです…。
里樹妃と梨花妃のお茶会は、華々しくてとてもきれいでした!女性同士の腹の探り合いでピリピリするのは、いつの世の中でも同じみたいですね。猫猫のソバカスも剥がされていて、玉葉妃の侍女達も準備に余念がなかったのだなということが分かりました。里樹妃はまだ幼く、好き嫌いも多いようですが、後宮というプレッシャーのかかる場所で頑張っていることが伝わってきました。侍女達のいじめが収まることを祈っています…。
自殺してしまったといわれる下女に、一体何が起こっていたのか。妃達の事情はどのように絡んでいたのか。気になることがたくさん残された第15話でした。第16話では、猫猫が柘榴宮に手伝いに行くそうで、事件の謎ももう少し解明されていきそうです。第16話、乞うご期待です!!
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