後宮で働く猫猫(マオマオ)が、薬師の知識で事件の謎を推理する中華系ミステリー「薬屋のひとりごと」
第3話後編では、猫猫が媚薬としてチョコレートを作り、壬氏に渡したところまででした。この記事では、「薬屋のひとりごと」第4話のあらすじと感想をお伝えします。
薬屋のひとりごと【第4話】あらすじ「月夜に舞う姫」
後宮では、夜な夜な塀の上で舞う女の霊がいる、と噂になっていました。後宮は四方に塀が張り巡らされており、塀の向こうの堀には、後宮から出ようとした妃が沈んでいると言われていました。猫猫は単なる怪談話だろう、と気にせず、つくった薬を見せに医務室に来ていました。そこへ、壬氏がやって来ます。壬氏は、猫猫に幽霊騒ぎの件について切り出し、さらに夢遊病を治す方法について続けざまに尋ねます。薬では治らない、と答える猫猫に、壬氏は調べるように頼みます。
断り切れなかった猫猫は、夜間に壬氏の側近の武官・高順(ガオシュン)とともに調査に向かいました。そこで、猫猫は黒髪の美しい女性が舞っているのを見ました。猫猫は思わず、「月下の芙蓉」と呟きます。舞っていたのは芙蓉妃(ふようひ)で、来月功労として武官に下賜される姫でした。
後日、猫猫は芙蓉妃がお目通りの時に舞踊で失敗して塞いでいたことや、入内してからお手付きすらなかったことを医務官から聞きます。猫猫は、夢遊病の原因が心の軋轢で薬では治せないことを、妓楼にいたときの記憶と共に改めて思い出します。身請け話がでた妓女が夜中に妓楼を散策し、楼主を攻撃したものの、その妓女は朝には昨夜のことを一切覚えていなかった、というものでした。結局、身請け話が破談となると、徘徊はなくなった、と猫猫は壬氏や玉葉妃に話します。「それで話は終わりか?」と笑顔で詰め寄る壬氏に、猫猫は「終わりです」とキッパリ言い、部屋を後にしました。
しばらく後に、玉葉妃は猫猫に、私には話してもいいんじゃないか、と言います。猫猫はあくまで推測だ、と前置きし、他にも夢遊病で身請けが破談になった妓女がいたが、それは詐欺だったと話します。ある男が身請けを申し込んだ後、妓女が夢遊病のふりをして身請けが破談になった、しかしその男の知り合いの男が、その妓女に身請けを申込み、病気の妓女だからと半分の銀で身請けが成立したのです。身請けをした男は銀が足りず、妓女には年季があったため、2人は結ばれるためにこのような方法をとったのです。猫猫は、芙蓉妃はこの妓女と同じではないかと言います。―武官と芙蓉妃は想い合っていたものの、彼女は後宮に入ることになる。芙蓉妃は武官を想い、得意な舞踊を失敗して皇帝のお手付きがないようした。武官が武勲を集め、芙蓉妃の下賜が決まると、芙蓉妃は間違ってもお手付きにならないよう、怪しげな徘徊をするようになる-このような筋書きを猫猫は推測していたのでした。玉葉妃は、数多くの女の元に訪れる帝を思い、一途に愛される芙蓉妃を少し羨ましいと思うのでした。
本日発売の月刊ビッグガンガンvol.09に『薬屋のひとりごと』第4話が掲載されてます!
単行本情報も出ておりました~ pic.twitter.com/OUJjCfEhnj— ねこクラゲ✽薬屋⑩発売中 (@nekokurage_) August 25, 2017
薬屋のひとりごと【第4話】感想「芙蓉妃と武官の一途な想い」
月の下で妖艶に舞う芙蓉妃に目を奪われる第4話でした。夢遊病かと思いましたが、どうやら想い人と結ばれるために病気のふりをしていたようです。武官と妃が結ばれるための、念には念を入れた策略に、まんまと騙されてしまった方も多かったのではないでしょうか。普通の武官は通常、姫に求婚できる立場ではありません。武勲を立てて、姫を迎えに行こうとした武官と、それまで帝に手をつけられないよう立ち回っていた芙蓉妃の、お互いの一途な想いに胸が熱くなりました。猫猫は、月夜に舞う芙蓉妃の美しさの正体が、恋であったことに後から気づきます。月の下で舞う芙蓉妃の姿は、惹きつけられるようなオーラがあり、本当に魅力的でした。猫猫は、「恋が女を美しくするなら、それはどんな薬になるだろう」と考えていて、恋は良くも悪くも、何ものにも替えがたい唯一無二の薬になるのではないかなと思いました。
玉葉妃は、武官から一途に愛されている芙蓉妃を少し羨ましく思っており、彼女の心中を察することができました。帝が玉葉妃のもとに訪れるのは数日に1度です。多くの子を成すことは帝の義務であり、帝が多くの女性のもとに通うことはある程度仕方のないことではありますが、玉葉妃も1人の女性としては、真っ直ぐに愛される芙蓉妃は幸せそうに見えるだろうと思います。自由に恋愛ができない境遇のなか、多くの女性が恋や愛に翻弄されていたことを感じました。
後宮や花街での恋愛について、切なさや一途な愛情などを感じることができました。次回はどのような事件が起きるのでしょうか?気になります!
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